地球温暖化に伴う気候変動はますます深刻となっています。夏場はちょっと前までは考えられなかった酷暑に見舞われています。また、世界的に「自然災害」は年々巨大化しています。日本も例外ではありません。2017年に過去10年間で史上最悪であった土砂災害が、2018年にはたった11日間の西日本豪雨によって最悪の被害額が塗り替えられています。そして翌年の2019年の台風19号はそれに匹敵する被害をもたらしました。

 この高度に発達した現代社会に生きながら、我々にとって「自然災害」は身近な問題になりました。いざ、大きな自然災害が起こってしまうと先端技術だけに頼ることは危険です。より基本的な技術によって急場をしのぐ必要があります。その意味でロケットストーブの有効活用が必要と思っています。

 もう1つ大切なことは、発展途上国における「家庭内空気汚染」です。世界保健機構(WHO)によれば、次のことが指摘されています。

  • 約30億人の人々は、灯油やバイオマス(木材、動物のフン、農作物のゴミ)や石炭を燃やして空気汚染する暖炉の火や簡易ストーブで調理を行っています。
  • 毎年400万人近くの人々が、固形燃料や灯油と対になって空気を汚すストーブを使った非効率な調理からの家庭内空気汚染に起因する疾病により、寿命を縮めています。
  • 家庭の空気汚染は、脳卒中、虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び肺がんなどの非感染性疾患の原因となります。
  • 5歳未満の子どもたちの肺炎による死亡のほぼ半分は、家庭の空気汚染から吸引された粒子状物質(すす)に起因するものです。

 国内の自然災害ばかりでなく、この発展途上国における「家庭内空気汚染」も喫緊の課題です。我々はこの解消に役立ちたいと考えています。